2005年 08月 15日 ( 1 )
ジャック・ブレル「行かないで」 (パリ祭2005)
パリ祭が終わった。
(今年は7月7日だったので、もう一ヶ月も前の話なのですが、、、)
恒例のNHKホールで行われる石井好子先生と音楽事務所ネオ・ムスク主催パリ祭は
日本のシャンソン界の一大イベントだ。

今年私は、ジャック・ブレルの「行かないで」を歌った。
この歌は、レイモン・ルフェーブル・オーケストラとの私の2枚目のCDに録音したこともある歌なのだが、原曲から素晴らしい曲だ。
原作者のジャック・ブレルのビデオはこの曲中ずっと、ハンサムとはいえないが魅力的なゴツイ顔で分厚い唇の男ジャック・ブレルのドアップを固定カメラで映し続けている。
ブレルはカメラの向こうからずっとレンズを見つめ、語りかけるように歌う。
と、彼の大きすぎる瞳からすっと涙が流れる。
男が女の為に流す最高に美しい涙だ。
若くして癌でこの世をさっていった彼の命そのものが溶けてゆくような、濃そうな味を想いおこさせる涙顔は、
嫉妬心とサディズムでグラグラしてくる程の哀れさだ。
駆け寄って抱きしめたくもなるが、惨めでうざったい姿に乱暴に突き放したくもなってくる。

歌の難しさが幾重にも襲い掛かってくるような映像。
まず、こういう男泣きの歌だ。女が歌うのとは根本的に違う。

そうそう、フランス語は、男性名詞と女性名詞に分かれているせいもあるが、男性が女性の言葉で「あなた~」と歌ったり、反対に、女性が男性の言葉で「僕は~」なんて歌う事は、まず無い!そうだ。
日本は演歌の影響か、古いフォークソングの影響なのか、歌舞伎の世界観が根底にあるのか?どうも特異な文化のひとつらしいのだ。
私が、日本では男性の方が女心を歌うのが上手い例はいくつもあるとフランスのコーディネーターに言ったら、
「そういう男はブローニュの森に立ってるといいわよ」だって。辛らつなジョーク。
(ブローニュの森でヒッチハイクをしているのは、♪コートを脱げば下は裸~本当にスッポンでプリンとした胸と男性器を惜しげもなく見せびらかしてくれる美しい顔を持ったよくばりさんのシーメール達だからだ。)

話がそれちゃったし、長くなったので、続きはいずれまた・・・

ps. でも私はこの歌が大好き。自分の言葉でずっと歌ってゆきたい歌なのです。
by mariko-sugita | 2005-08-15 00:54 | chanson