あぁ、モノクロームって こんなにも美しく・・・ 1960年代のパリを映し出していたんだ・・・ その映像美と・・・ そして・・・サガンの残酷さに・・・ 何度も・・・ため息をつきながら・・・観たのでした。 映画『さよならをもう一度 (Goodbye Again)』(1961) 原作はFrançoise Sagan フランソワーズ・サガンの小説 『Aimez-vous Brahms..ブラームスはお好き』 サガンの初の小説 『Bonjour Tristesse 悲しみよこんにちは』が出版されたのは、1954年。 ・・・サガンが若干18歳の時のこと。 あまりにも騒がれ、あまりにも有名なこの本は、17歳の少女を主人公にした、いわば等身大の作品だったけど、この 『ブラームスはお好き』を書いたのは、その僅か5年後1959年の作品だという。 Ingrid Bergman イングリッド・バーグマンが、 40代で離婚暦のあるポーラという主人公を演じ、 Yves Montand イヴ・モンタンは、 ポーラと かれこれ5年の付き合いになる やはり離婚経験のある年上の中年男で、 ポーラを愛しているが、自由を失うつもりなど・・・ない! ロジェという役を演じ、 そして、どうしても「サイコ」の・・・と前置きを付けたくなってしまう Anthony Perkins アンソニー・パーキンスは、 ひたすらにポーラを愛する 25歳の青年弁護士 フィリップ役を・・・(この彼はお世辞にも、好みのタイプとは言えないけれど・・・) ポーラの2人の男性を巡っての心の動きを紡いでいるこのストーリー・・・ 哀しいかな・・・ 『ブラームスは~』 世代となってから、改めてこの本を読んだ時、 身を持ってサガンのもの凄さに・・・気づくのです。 さて♪ 私にとっての本題は・・・ このテーマ曲なのです。 来月の王子ホールのコンサートで歌うことになっているのですが、 音源探しに、結構苦労しちゃいました・・・ 映画の中で、何度も何度も流れてくるのは・・・ ブラームスの交響曲第3番の第3楽章 当時新人だったダイアン・キャロルが歌い、一躍ポピュラーのヒット曲となったそうです。 私は、同じブラームスの3番を、ジェーン・バーキンの為にゲンズブールが作詞をした 『バビロンの妖精』は、CDに入れた事があるのですが、本来のイメージに戻して再チャレンジです。 イヴ・モンタンも自身のアルバムに収録しており、 そちらは、フランス語&ジャズバージョンで、すっごくイイですよ! (でも・・・日本語詞が難産しちゃってて・・・まだ生まれないのです。今晩こそ踏ん張らねば・・・) サガンは題名を「ガーシュインはお好き」でも、 「デューク・エリントンはお好き」と 変えてもいいと言っていたそう・・・(笑) しかし、ブラームス・・・にしたのにも意味があるようです。 ドイス人作曲家のブラームスの全プロをパリ国立管弦楽団が演奏することは珍しく、 まして、その演奏会に行くのは・・・かつて占領下に置かれていたフランス人にとって、感情的にひっかかるものがあるので、余程の変わり者・・・という意味が含まれているらしいです。 フィリップはアメリカ人という設定なので、そんな国民感情に配慮なしというシニカルな含みもあるのですね。 バーグマン扮する役名、原作ではポールなのですが、 アメリカ映画だからなのでしょうか?ポーラという名前になっています。 ポールの方が雰囲気あるのにねぇ。男の子みたいだけれど・・・ 因みに、フィリップは、原作ではシモンという名前でした。 あとね! フィリップ(シモン)との別れのシーン・・・一番最後のページの最後のセリフなのだけど、 「シモン、もう私、もうオバーサンンなの オバーサンなの・・・」 と、印象的なポールのセリフがあったはずなのに、 「フィリップ、私は年上よ。年が離れすぎているの・・・」 ・・・バーグマン用になっちゃってました。 確かに・・・イングリット・バーグマンの口から、 「オバーサンなの・・・」は聞きたくないのかもしれませんが・・・♪
by mariko-sugita
| 2006-10-12 12:33
| 音資料 CD
| by mariko-sugita
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