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パリ祭おつかれさまでした
今年は「どうしても出したい声」というか、「出さなくてはいけない声」がありました。

もうずっと、「ポップス」というジャンルの恩恵に預かり、ご利益のごとく利用させていただきながら、
どうしても!この高さの声じゃなければ!・・・という厳しい状況を上手く切り抜けながら歌ってきた私。
音域も人よりは広い方なので、こういった苦労は20年以上避けてきたのですが・・・

石井好子先生に、ズバッと言われてしまったのでした。

先生 「貴方!楽してばっかりで・・・ 
    歌う事で苦しんだのって、この前、私と一緒だった都響のオーケストラの時だけでしょうが・・・!」

私  「あがッ うげッ ぐあぁぁぁ・・・だぁぁ・・・でぇ・・・」

直訳→ あの~頑張ってはいるのですが・・・歌うことは死にたくなるほど苦しいことです。
でも、歌えなくなるということは死ぬより苦しい生き様です。 ただ・・・身体が言うことをきいてくれなくてぇ・・・

今年のパリ祭は、
下ギリギリのEのKEY(ミの音)を使って歌った後に、上のA(ラの音)までキッチリ出さないと、
来年パリ祭に出させていただけるのか???という状況が頭をかすめる程、
石井先生の瞳がギラリ!と輝き・・・私は追い詰められてしまったのでした。

低い声で歌った後の高音は厳しい・・・ 
実は私たちって、プログラムを組む時も、
声の温まり具合や、前後と曲のKeyを考えたりしながら配分してるんですよ。

人間の声は、肉体の一部。
準備運動をして筋肉をほぐし、その高さの声を出す為の手順を踏んで行くと、簡単にスッと出てしまうものなのです。
それは、意識的にも有効で、手順を踏むことによって精神的にも安心しリラックスできるから。
心の問題をクリアしておかないと、今日もダメだった。また失敗した。。。
自分自身を信用させておかないと、心が萎縮すると声も萎縮するのです。
よく本番に強いという人は、自分自身に「私って本番強いのよ!」と、
日頃の実績に基づいて暗示をかけることができるからなのですよ。

・・・さて、実績が勝つか、思い込みが勝つか・・・ 

「努力に勝る才能は無し」 ある年齢を越すと、唯、この言葉が実感を帯びてくるのです。
だんだんと、普段できないことは、本番でもできない。
思い込みが不利になってくるんですね。 フフフ・・・(←若干、開き直りが入ってる・・・)


私の本番はどうだったのでしょう?

声は、出たことは出ました。

ただ、いい声だったかは・・・? 

でも、今まで褒めてくれたことが無かった○○さんが、初めて褒めてくださったので・・・ 私、泣いてしまいました。

フィナーレでも涙が溢れそうになって、困ってしまいました。
舞台に立つことができるって、本当に幸せだなぁって・・・ 
大勢のお客様。美しいステージをつくってくださったスタッフの皆さん。 本当にありがとうございました。

・・・と、感動に浸りきっていた私のドレスは、誰かに踏まれて、ビリ~と敗れていたらしいのです(笑)
本人は、全く気づきませんでした。(良かったのか?悪かったのか?)
ただ、後ろトレーンが40センチくらい勝手に伸びていて、ビックリしました。
ミッソーニのドレスを中に着ていたから大丈夫だったけど・・・ 危なくNHKでお尻 全開で見せるところでした。
今度から、ドレス敗れても大丈夫なように気をつけなくちゃネ!
by mariko-sugita | 2006-07-11 02:07 | chanson
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